生活の質を向上する介護。認知症の症状を改善する介護。

高齢者介護の基本

口腔衛生と誤嚥性肺炎

  • 口腔の衛生状態と、肺炎には大きなつながりがある
  • 痛みや腫れ、口臭等で口腔の衛生状態をチェック
  • 歯磨きや口腔ケアで誤嚥性肺炎を予防する

高齢者と肺炎

 日本人の死因の上位3位である、悪性新生物(ガン)、心疾患、脳血管疾患まではよく知られていますが、肺炎が第4位になっていることは、あまり知られていません。

肺炎で亡くなる人は、年間約9万5千人にのぼります。
しかも、肺炎による死亡は高齢者に多く、肺炎で亡くなる人の9割以上は65歳以上の高齢者です。
肺炎というと、風邪をこじらせて…と考えがちですが、高齢者の場合には「誤嚥性肺炎」の方が多いといわれています。
 食べ物が食道に入らずに、誤って気管に入ってしまうことを「誤嚥」といいます。
そして誤嚥によって、唾液や食べ物と一緒に細菌が肺に入ってしまうことによって起こる肺炎を「誤嚥性肺炎」といいます。
高齢者の場合、誤嚥してもむせたり、咳き込んだりしないことも多く、誤嚥したことに気がつかないことがあります。
 また、誤嚥は食事中だけに起こるのではなく、眠っている間など、気がつかないうちに細菌が混じった唾液が肺に落ちたり、胃の逆流物が肺に入り込んだりする「不顕性誤嚥」もとても多いといわれています。
誤嚥性肺炎を予防するためには、口腔内の細菌を減らすために、口腔内をできるだけ衛生的にしておくことが必要です。
この口腔衛生と肺炎の因果関係については、以下の研究結果が報道されています。
歯垢の中に潜む細菌の中に呼吸器疾患や院内感染に関係する種類が含まれ、高齢者等に重い肺炎を引き起こすケースが起きている実態が、米バッファロー大学歯学部の研究で明らかになった。
総入れ歯の高齢者でも、歯ブラシで歯茎を磨く口腔ケアを続ければ、肺炎の発症を半分以下に減らせることが東北大医学部の佐々木英忠教授(老年・呼吸器内科)らの研究でわかった。
(読売新聞2004年12月2日)