生活の質を向上する介護。認知症の症状を改善する介護。

ケアコラム

20%がレビー小体型認知症

 認知症といえば、アルツハイマー型と脳血管性の2種類が代表的といわれてきたが、近年「レビー小体型認知症(DLB:Dementia with Lewy Bodiesの略)」という言葉をよく目にするようになった。
 レビー小体型認知症は、日本の小阪憲司医師が発見したといわれ、最近では認知症の人のうち約20%がこのレビー小体型だといわれている。20%といえば5分の1ということであり、認知症とされている人の中にレビー小体型の人が相当数いるということになる。
 今年8月8日の毎日新聞には、『レビー小体型認知症:「一人で悩まず相談を」家族を支える会、横浜で会合』というタイトルで、レビー小体型認知症レビー小体型認知症についての記事が掲載された。
 記事によると7月22日に開催された「レビー小体型認知症家族を支える会」の会合に約40人が集まり、次のような報告がおこなわれたとのこと。
「母親が『子どもがいるよ』と幻視を訴えるようになった」
「80歳の父親が自宅なのに『帰りたい』と言う」
<2010年8月8日毎日新聞より>
 この記事にもあるように、レビー小体型認知症は、鮮明な幻覚や幻視と、パーキンソン症状が特徴である。
 以下に、「レビー小体型認知症研究会」のホームページ(http://www.d-lewy.com/about.html)を引用する。
 記憶障害を中心とする認知症があり、ありありとした幻視やパーキンソン症状(体がこわばり、動作が遅くなり、転び易くなるなど)が現われやすく、(中略)早いうちには認知症がめだたず、幻覚や妄想、抑うつといった精神症状がめだつこともあり、パーキンソン症状が初めに起こってくることもあります。
 この病気はしばしばアルツハイマー型認知症などと誤診されており、適切な治療を受けずにいることが少なくありません。
<レビー小体型認知症研究会のホームページより>
 ここにも記載されているように、レビー小体型認知症はようやく最近知られるようになってきたが、今までは他の病気、特にアルツハイマー型認知症と間違われることが多かったそうだ。
 また、記憶障がい等の認知症の中核症状より、幻覚や妄想、筋肉の固縮(こわばり)や動きが悪くなる等のパーキンソン症状が早く現れることがあるのも特徴。
 「レビー小体型認知症家族を支える会」のホームページレビー小体型認知症家族を支える会(http://www.dlbf.jp/index.html)には、レビー小体型認知症の解説や、早期発見のためのセルフチェックシートが掲載されている。
さらに専門医一覧等も掲載されているので、関心がある方は参照されたい。
 ■補足■
 2010年11月3日のNHKニュースに以下のような記事が配信された。
このような記事を見ると、認知症に関してはこれからもさまざまな研究報告がおこなわれる可能性があるようだ。
レビー小体型認知症 原因物質発見
 アルツハイマー型に次いで多い「レビー小体型」と呼ばれる認知症を引き起こす脳の神経細胞の中の新たなタンパク質を東京都の研究所などのグループが発見し、新しい治療法の開発に道を開く成果として注目されそうです。
 発見したのは東京都神経科学総合研究所の橋本款研究員らの研究グループです。
レビー小体型認知症はアルツハイマー型に次いで多い認知症とされ、物忘れなどの記憶障害のほかに、存在していないものが目に見える幻覚も引き起こすと指摘されています。
これまでは脳の神経細胞に出来る「レビー小体」と呼ばれる異常なタンパク質の固まりが原因と考えられてきましたが、橋本研究員らのグループはそれだけではさまざまな症状が起こる仕組みが説明できないとして、新たな原因物質を探していました。
その結果、レビー小体とは別にあってこれまで無害だと考えられていた「βシヌクレイン」というタンパク質が脳の神経細胞に損傷を与えることを発見し、マウスを使った実験によって証明したということです。今後さらに解明が進めば発症の仕組みに共通点が多いパーキンソン病の治療にも応用できると期待されています。
脳の神経の病気に詳しい順天堂大学医学部の服部信孝教授は、「パーキンソン病にもβシヌクレインが関与している可能性を示したもので、パーキンソン病とレビー小体型認知症の2つの病気の治療法の開発に道を開く成果だ」と話しています。この研究成果は3日に発行されるイギリスの科学雑誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に掲載されます。
<2010年11月3日NHKニュースより>