生活の質を向上する介護。認知症の症状を改善する介護。

ケアコラム

おむつゼロ特養連絡会が始動

 全国老人福祉施設協議会(老施協)は5月21日、入所者の日中のおむつ使用率が10%未満の特別養護老人ホーム(特養)20施設から成る「おむつゼロ特養連絡会」の発足会を開いた。
研修会などの事業を通じて全国の施設職員の専門性を向上させるとともに、入所者のおむつ使用率を下げることで、特養のイメージ向上を目指す。
連絡会は、老施協が主催する「介護力向上講習会」を修了した施設で構成する。
日中のおむつ使用がないか、年間の日中おむつ使用率が10%未満の特養が正会員、同使用率が20%未満の特養が準会員となる。
老施協の一事業という位置付け。
<2010年5月21日配信・医療CBニュース>
 この記事にある「日中おむつ使用率」の日中とは、昼間の時間帯という意味ではなく、朝起きて夜寝るまでの時間帯のことをさしている。

 入所者に夜はよく眠ってもらうためと、介護職員の人手の問題もあって、夜おむつをするのはやむを得ないとしても、せめて起きている間は、おむつではなく、トイレで排泄することをめざして、これらの施設では日中のおむつ外しを進めている。

 日中おむつを外すと共に、トイレに座って排便を促す等の介護をおこなうことによって、便失禁もほとんどなくなるため、入居者のQOLは大きく改善することが可能になる。
 おむつゼロ特養連絡会加入の20施設は、この日中おむつ使用率が10%未満を達成しているのである。
 それでは、日中おむつ使用率10%未満という数字には、どういう意味があるのだろうか?
 前述の「介護力向上講習会」参加施設には、講習会に参加するまでは、おむつ使用率が60~70%という施設が多い。
特別養護老人ホームは、どの施設も要介護度が4前後と、かなり重介護の入所者が多いため、日中か夜間かにかかわらず、おむつ使用が常態化していることがほとんど。
 このおむつ使用率が60~70%という状況から、日中のおむつ使用率を10%未満にまで引き下げるということは、これらの施設における介護の質が大きく向上したと同時に、入所者のQOLも大きく改善したことを意味している。
 さらに、上記20施設の中には、日中だけではなく夜間(寝ている時間帯)も含めたおむつ使用率が0%と、完全に『おむつゼロ』を達成している施設が8ヶ所ある。
 特養ではおむつを使っているのが当たり前という状況から、まだまだわずかな数とはいえ、このような施設が現れていることは、今後の高齢者介護分野における明るい未来を予感させるものだといえるのではないだろうか。