生活の質を向上する介護。認知症の症状を改善する介護。

脳血管疾患(脳血管性認知症)

 脳血管疾患とは、悪性新生物(ガン)、心疾患と並んで「三大生活習慣病」と呼ばれる疾患で、脳の血管が詰まったり破れたりなどして、脳細胞に血液が供給されないことが原因で生じます。
 脳血管疾患には、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがありますが、脳卒中とはこれらの脳血管障害が急性に現れたものを指します。
 脳卒中のうち、脳梗塞は脳に栄養や酸素を送る動脈が詰まり、脳が虚血状態になり、脳細胞が壊死、またはそれに近い状態になることをいい、麻痺や感覚障害・失調、意識障害、高次脳機能障害などの症状が現れます。
 脳出血は、出血の部位や程度によって異なりますが、高次機能障害や失語症、失認や失行、片麻痺、四肢麻痺などの症状があります。脳幹出血の場合は、特に予後が非常に悪いといわれています。
 この脳血管疾患が原因疾患となって、起こる認知症のことを脳血管性認知症といいます。
 脳血管性認知症の主な症状は、日常生活に支障を来たすような記憶障害とその他の認知機能障害(言葉、動作、認知、ものごとを計画立てて行う能力などの障害)で、他の認知症を来たす疾患(アルツハイマー型認知症など)と大きな違いはありません。
 但し、脳血管性認知症の場合は、症状が突然出現したり階段状に悪化したりすることがしばしばみられるといわれます。
 また、歩行障害や手足の麻痺、ろれつが回りにくい、パーキンソン症状、転びやすい、排尿障害(頻尿、尿失禁など)、抑うつ、感情失禁、夜間せん妄などの症状が早い段階からみられることもあるともいわれています。
 脳血管性認知症の記憶障害や認知機能障害を改善させる確実な方法は現在ありません。
 そのため、再発予防と認知症の症状への対症療法が治療の中心となります。
 脳血管障害の危険因子である高血圧、糖尿病、心疾患などを適切にコントロールするとともに、脳梗塞の再発予防のための薬剤が使われることが多いようです。
 また、意欲・自発性の低下、興奮といった症状に対して脳循環代謝改善剤が有効な場合もあります。
 脳血管性認知症に多い抑うつに対して抗うつ剤が使用されることもあります。
 また、リハビリテーションやレクリエーションといった非薬物療法が認知症の症状や生活の質の改善に有効な場合もあります。
 脳血管性認知症もアルツハイマー型認知症と同じく、原因疾患の状態と症状が直接関係していないと思われることが多く、本人の体調や周囲の人の接し方、環境等が症状に影響を与えるので、適切な介護をおこなうことが極めて重要であるといえます。

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