生活の質を向上する介護。認知症の症状を改善する介護。

認知機能(にんちきのう)

 認知症は、以前は「痴呆症」と呼ばれていましたが、認知機能が低下する病気であることから認知症と呼称が変更されました。
 認知(cognition)とは、生体のもつ情報収集,情報処理活動の総称をさしますが、具体的には感覚、知覚、記憶など、生体が生得的または経験的に獲得した既存の情報にもとづいて、外界からの情報を選択的にとり入れ、それを処理して新しい情報を生体内に蓄積し、さらにはこれを利用して外界に適切な働きかけをおこなうための情報処理の過程とされています。
 また、認知機能というと理解、判断、論理などの知的機能のことをさしますが、一般的には主に認知症における障害の程度を表す場合に用いられることが多いようです。
 認知症では物忘れにみられるような記憶の障害のほか、判断、計算、理解、学習、思考、言語などを含む脳の高次の機能に障害がみられますが、その障害がみられる脳の機能として認知機能と表現されます。
 要するに人が周囲のさまざまな情報を感知し、それらを認識して判断するという情報処理の過程を認知といい、その機能を認知機能ということのようです。

 国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授(医療福祉経営専攻 先進的ケア・ネットワーク開発研究分野)は、「認知とは、その人の置かれている状況を認識し、理解し、判断する『総合的な精神の働き』である」と定義しています。
 その上で、周囲の状況を認識するためには、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚といった五感によりますが、それ以外にも心的エネルギー、記憶や見当識、意識、注意といった要素が大きな影響を与えるとしています。
 心的エネルギーとは対象物に対して興味や関心が強いほど、そのものを認知しやすくなるということです。注意というのは集中しているほど物事を認知しやすいということです。
 また、意識がしっかりしていなければ認知することは難しくなるのは当然です(例えば熟睡している時には周囲の状況は認知できない)。
 このことから、竹内教授は脱水症によって意識水準が低下することで、認知症の人の認知機能はさらに低下するため、認知症の症状悪化と誤解されるような言動を招いてしまうことを指摘しています。

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