生活の質を向上する介護。認知症の症状を改善する介護。

移動介助

自然な動きと重心の動きの理解(移動介助の基本)

移動介助は、自然な動きと重心の動きの理解をすることから

 人が移動する時、必ず重心も移動し、同時に無意識にバランスをとっています。
これは、人が成長する中で、合理的で苦痛のない『自然な動き』を身につけているからです。
この『自然な動き』を無視した動きは苦痛を伴い、身体に余計な負担がかかることになります。

身体介助をおこなう際、この『自然な動き』と『重心の動き』を意識することが、適切な介助方法と手順の理解につながります。
 私達が普段何気なくおこなっている、いくつかの『自然な動き』を確認してみましょう。
 介護する際、介護される本人が、以上のような『自然な動き』ができるように介護することがポイントになります。

 麻痺などがある人の介護の場合は、麻痺があると想定して動いてみると、どのような介護をするかのヒントになります。

横向きになる動き(仰臥位から側臥位)

※仰臥位(ぎょうがい)とは仰向けに寝ていること、側臥位(そくがい)とは横向きに寝ている状態をいいます。
  1. 重心を移動しやすくするために膝を立てます。これにより、人間の体で1番重いお尻を動かしやすくしているのです。
  2. 移動する方向に膝を倒し、腕を持ってきます。
  3. 同時に移動する方向に顔を倒します。

起き上がり(仰臥位から端座位)

※仰臥位とは仰向けに寝ていること、端座位とは、ベッドの端に腰をかけ横に足を下ろした状態のことをいいます。
  1. 腕を使うために、まず仰臥位から側臥位になります。
  2. 身体の下になっている腕の肘をつき、ついた肘を中心に、頭をゆっくりと回転するように身体を起こし上げます。この時、重心が肘から手首に移動します。
  3. 起き上がった上体を両手で支えます。

座位から立位

  1. かかとを引きます。これは、足がついている位置に立ち上がるので、かかとが前にあるとそれだけ重心をたくさん移動させなければなりません。そのため、重心の移動幅を少なくします。
  2. 前屈みになります。これは、立位になる際に、重心が後方から前方に移動します。前屈みになることで、座っている時の重心が立った時の重心に近づきます。
  3. 頭が円を描くように動きながら、立ちあがります。

歩行

 人は歩く時、足を交互に踏み出し、足と反対の手を前に振りながら進みます。左足を上げると重心が右側に動き、右足を上げると重心が左側に動きます。
このように、人が歩く時は、重心が左右に移動することを繰り返しているということになります。
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