生活の質を向上する介護。認知症の症状を改善する介護。

介護予防の知識

姿勢と抗重力筋

正しい姿勢が動きの基本

 皆さんは普段、姿勢を気にして生活していますか?
身体を効率的に動かすためには、正しい姿勢が必要で、全ての動きの基本といえます。
また、姿勢という言葉には『態度』『心構え』という意味もあり、姿勢を正しくすることで気が引き締まります。

座るときの正しい姿勢

 皆さんは、坐骨(ざこつ)ってご存知ですか?
座る(坐る)ときにあたる骨という意味で、座ったときお尻の下に手を入れると左右に触れる骨です。
正しい座位姿勢とは簡単にいうと坐骨でしっかり体を支えるということです。

猫背になるとお尻は、前にすべり坐骨ではなく仙骨という骨で支えるようになり、褥瘡(床ずれ)の原因にもなります。
また、猫背でいると、食事のとき誤嚥(食事が食道でなく気管に誤って入ること)しやすくなる、呼吸しづらい、首を痛める・・・など日常生活の中で、様々な困難にいたる場合があります。

自分の姿勢を少しずつ意識し、できる範囲で『正しい姿勢』を心がけましょう。
~やってみよう~
【正しい座り方】
  1. 足の裏が地面につくように座り、背もたれから背中を少し離します。
  2. 頭のてっぺんを、上に引っ張られるイメージで背すじを伸ばし、お腹に軽く力をいれます。

【楽に座るための工夫】
  1. すぐ背中が曲がってしまう人は、肘かけやテーブルを利用して、上半身の重さを支えましょう。
  2. 腰と背もたれの間にバスタオルを丸めたものを入れると楽に正しい姿勢がとれます。

立つときの正しい姿勢

 立っている時、筋肉はどのような働きをしているのでしょうか。
立っている時、誰でも地球の重力により体を曲げられるような力を受けます。
それに対抗して、体を支え続けるために筋肉・骨格が働いています。

正しい姿勢を維持するための筋肉を『抗重力筋(こうじゅうりょくきん)といいます。
『抗重力筋』は、背中(脊柱起立筋)、お腹(腹直筋)、お尻 (大臀筋)、筋太ももの前(大腿四頭筋)、ふくらはぎ(下腿三頭筋)のように、前・後に位置する筋肉のコンビネーションが、体を立たせる働きをしています。

宇宙飛行士が無重力の宇宙ステーションの生活で衰えてしまうのは、この”抗重力筋”なのです。
重力の負荷(力)に対して、人間の体は適応しているので、この重力環境が必要となります。
抗重力筋が重心をとりながら、バランス良く働くことで、正しい姿勢を維持することができます。
このバランスが悪いと、肩凝りや腰痛など疾病にもつながります。
~やってみよう~
【抵重力筋を確認してみよう!】
実際にさわって、下記の抵重力筋を確かめてみましょう!
  • 背中 = 脊柱起立筋
  • お腹 = 腹直筋
  • お尻 = 大臀筋
  • 筋太ももの前 = 大腿四頭筋
  • ふくらはぎ = 下腿三頭筋
介護予防プログラムではこの抗重力筋のトレーニングを行います。


【正しい立ち方】
  1. 両足を腰幅くらいに開き、つま先を少し外側に向けます。
  2. 頭のてっぺんを、上に引っ張られるイメージで背すじを伸ばし、お腹に軽く力をいれます。
  3. お尻の横に、少しくぼみができる程度に軽く力をいれます。
  4. 顔は正面を向き、軽くアゴをひきます。
 悪い姿勢(猫背・膝曲がりやお腹突き出しなど)では、姿勢やバランスを維持するのにエネルギーを使ってしまうため、歩くのが遅くなったり、疲れやすくなります。
生活の中で少しずつ姿勢を意識して楽に動けるようになりましょう。
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