認知症について(認知症症状に影響する要因)

認知症の症状が改善する

あるいは、介護の世界では「黄昏症候群」あるいは「夕暮れ症候群」という言葉が使われることがあります。これは認知症の人が夕方頃になると、決まって落ち着かなくなったり、症状が悪化したりする状態のことです。

または、昼と夜が逆になって、夜寝ないで昼間ウトウトしているような状態の『昼夜逆転』や、夜間、落ち着かずに騒ぎ続ける『夜間せん妄』という症状もあります。

このような症状は、介護している家族にとっては介護負担がとても大きいにもかかわらず、改善困難なものと考えられてきました。
しかし、多くの介護現場で、このような症状がほとんどなくなり、穏やかに毎日を過ごす状態に戻すことに成功した事例が出はじめています。

国際医療福祉大学大学院の竹内孝仁教授は、認知症の症状に影響を与える要因として、特に健康状態の重要性に注目しています。
竹内教授は、特別養護老人ホームや老人保健施設等多くの介護現場における指導経験から、脱水症低栄養便秘傾向や不活発な生活が原因で、認知症の症状が悪化すると指摘しています。
夜間せん妄や暴力行為が激しく、介護負担が過重になって、在宅生活の継続が困難になっているような人が、適切な水分と栄養を摂取したことで、これらの症状が消失した事例を講演等で紹介しています。中でも、脱水傾向は多くの認知症高齢者に見られ、この脱水傾向の改善が認知症の介護においては必須だといいます。

さらに、『廃用性認知症』という言葉が生まれたように、寝たきりや閉じこもりで、不活発な生活を続けることで、認知機能が低下し、認知症と同じ症状が現れることも指摘されるようになってきました。

認知症の症状が現れる原因

以上のことから、認知症を、脳組織の変化だけを指すのではなく、現れる症状の総体と考えると、認知症の原因は次のように考えることができるのではないでしょうか。

① アルツハイマー病や脳血管障害等による脳組織の変化
② 体調不調(脱水低栄養便秘慢性疾患の悪化、急性の病気やケガ等)
③ 環境や人間関係の変化
④ 活動性が低いこと(寝たきりや閉じこもり
⑤ 本人にとって不快な状況

他の要因もあるかもしれませんが、これら5つの要因を念頭におき、医療がかかわる①以外の要因に対して、適切な対応をすることで、認知症の症状は大きく変わると考えられます。

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