排便のメカニズム

Point

介護の世界では、寝たきりの状態のままで、排泄も全ておむつでさせるという方法が普通におこなわれてきました。
しかし、このような方法は、排泄、特に排便についての知識からみると、極めて不自然であり、要介護高齢者のQOLを無視した介護であると考えられるようになってきました。

寝たまま排便することの不自然さ

排便の仕組みを考えると、寝たままで排便するという行為は、実は極めて不自然なことであり、様々なデメリットがあることがわかります。

[1] 腹圧をかけることができない
寝たままの姿勢では、便が直腸から肛門へと横移動しなければならないため、重力がかかりません。また、寝たままの姿勢では、腹圧をかけにくいため、とても排便がしにくい状態だといえます。
[2] 便の通り道がふさがっている
寝たまま(仰臥位)の状態は、直腸と肛門の角度(直腸・肛門角といいます)が鋭角(90度±10度くらい)で、山状になっており、便が直腸から肛門に移動するためには、この山を乗り越えなければなりません。そのため、直腸に便が溜まっても、簡単には便を出すことができません。(フラップバルブ・メカニズム)
[3] 便意が失われやすい
常におむつをつけているのは、いつでも排便してよいという状況のため、尿意や便意が失われやすくなります。

以上のように、寝たまま排便するというのは極めて困難なことなのです。そのため、寝たきりの人は常に便秘状態だといえます。
寝たままの排便は、直腸にたくさんの便が溜まり、の山状の直腸・肛門角から少しずつ溢れ出ている状態だと考えられます。
このことが、おむつ交換をしてみると、毎回便で汚れている状態をつくり出し、不衛生であるとともに、介護負担も大きくなってしまう原因になる場合があります。

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