生活の質を向上する介護。認知症の症状を改善する介護。

高齢者介護の基本

体調のチェック

  • 会話の中で、さりげなく体調チェックを
  • 「高齢者の生理的特徴」を参考に様子を観察

さりげなく体調チェックを

 体調管理をするために、毎回チェック項目のようなものを順番に聞いていくと、聞かれる側も負担になってしまう場合があります。『体調のチェック』を、あまり堅く構えず会話の中から確認をしてみましょう。
≪聞き方の例≫
1. 元気がある・ない 「お元気ですか?」 「いつもと、変わりありませんか?」
2. 食欲の有無 「食事はおいしく食べられましたか?」
3. 気分が良い・悪い 「ご気分はいかがですか?」 「ご気分はお変わりありませんか?」
4. 睡眠状況 「よく眠れましたか?」
5. 発熱の有無 「熱はありませんか?」 「熱っぽくないですか?」
 高齢者は、何らかの身体的な異常が起きたり、病気になったりした時、局所的な痛みではなく、全身症状(なんとなく体がだるい等)として現れることが多いといわれています。そのため、「いつもと変わりないか」と「食欲があるか」、「よく眠れたか」等の確認であっても、最低限の体調チェックができると考えられます。
但し、認知症の高齢者の場合は、上記の確認だけでなく「様子の変化の観察」も大切なチェック項目になります。不機嫌になったり、体の一部をしきりに触ったりというような変化が、重要な観察ポイントになります。

きになることがあれば、医療機関等に相談する

 さりげなく体調のチェックをして、いつもと様子が違っていたり、本人が不快感を訴えたりするような場合は、『高齢者の生理的特徴』を参考にして、原因を考えてみましょう。
  • 脱水症の可能性はないか(どのくらい水分を摂っているか)
  • 低栄養の可能性はないか(食事をきちんと摂っているか)
  • 便秘ではないか(お通じはありましたか?と訊く等)
  • 慢性疾患がある場合は特に)処方された薬はきちんと服用しているか
 以上のことで原因が分からない場合や、慢性疾患が悪化している可能性があるような場合には、早めに主治医等に相談しましょう。
また、ホームヘルパー等が関わっている場合には、これらの情報を伝達して情報を共有しておきましょう。
(参考)バイタルサインとバイタルチェック
正常値 方法 注意点
体温 高齢者の平熱は やや低め (35度台の人がほとんど。) 測定部位:腋下(わきの下)が一般的。 よく汗を拭いてから30度の角度で体温計をはさむ。 やせていて腋下で測定しにくく正確な値が出ない場合は、口腔、外耳道 など他の部位などで測定。 ・電子体温計が一般的だが、測定方法が適切でないと誤差が大きくなる。 ・食後や運動後は体温が上がるので、30分位安静にしてから測定すること ・微熱でも注意が必要(平熱が36℃としても、36.5℃台は微熱と考える)
呼吸 1分間に15~20回 安静状態の時に、胸やみぞおちの上下運動の数を1分間数えて呼吸数を測定。 布団の上から観察したり、脈拍測定後そのまま胸に手を置き動きを感じ取る、など。 呼吸の深さやリズム、音、咳・痰、息苦しさなどもあわせて観察するとよい。 ・呼吸は本人の意思でコントロールできるので、本人に気づかれない状態で測定すること。
脈拍 1分間に60~90回 高齢者はやや少なめ 橈骨動脈に人指し指、中指、薬指の3本を軽く当て、1分間計測する。 測定者の脈拍と混同するため親指は使わない。 リズムの乱れや強弱などもあわせて観察する。 ・測定者の手は温かくしておく ・緊張時、発熱時、運動・入浴後などは脈が速くなるので、安静時に計測する
血圧 最高血圧 (収縮期血圧) 139mmHg以下 最低血圧 (拡張期血圧) 89mmHg以下 電子血圧計を使用。安静な体位をとり、上腕にマンシェットを指が1~2本入る程度のゆるさに巻く。 ・色々な血圧計があるので、取扱説明書を確認してから使用すること