生活の質を向上する介護。認知症の症状を改善する介護。

認知症の基礎知識

認知症について(認知症症状に影響する要因)

  • 認知症の症状は、脳の病気以外に、本人の体調や周囲の関わり方等の要因で左右される
  • 適切な介護で、認知症の症状を改善することが可能
 認知症は、アルツハイマー病や脳血管疾患によって起こる脳の病的変化だけで症状が決まるわけではありません。認知症の症状には、体調や周囲の関わり方など、さまざまな要因が関係していると考えられます。

認知症の介護に携わる人たちの経験

 昔から介護の世界では、何かのきっかけで、介護を拒否が起こったり、言動が粗暴になり暴力を振るうようになったり、突然徘徊が始まる等の変化に遭遇した介護者は多いのではないでしょうか。
きっかけになる出来事はさまざまですが、例えば、病院に入院したり、施設に入所したり、あるいはデイサービスに行き始めたりといった、本人の生活や環境に変化があった場合や、担当しているヘルパーが交替したら、物盗られ妄想が始まったというような周囲の人との関係を含む変化という場合もあります。
 認知症の人は、環境やかかわる人等の周囲の状況を認知する機能が低下しているために、状況が変わるとその変化についていくことが難しく、症状が悪化するのではないかと考えられるようになってきました。
 このように、環境が変わって症状が悪化した場合は、周囲の人たちが慌てずに適切なコミュニケーションをとり続け、本人ができるだけ快適な状況をつくることで、自然に元通りの穏やかな状態に戻ることが多いのですが、本人を叱ったり、行動を抑制したりすると、いつまでも症状が続くこともあります。
 また担当するホームヘルパーが変わった直後から、介護を拒否や物とられ妄想等が現れたために、新しいホームヘルパーとはウマが合わないからと、さらに交替すると、なかなか症状がなくならないといったことも起きます。