寝たきりおむつ改善事例 ~花みづき寮~

群馬県にある「花みづき寮」(介護老人福祉施設、以下「特養」)は、日中おむつゼロを達成し、おむつゼロ特養連絡会の会員施設でもある。

今回は、同施設において、入所時は「寝たきりでおむつ」という状態から、自立支援介護を実践することで、本人の自立性が飛躍的に向上した事例を紹介する。

【事例の概要】Aさん (94歳・男性・要介護4)

本人は、膝関節症等あるものの自宅で生活していたが、H19年7月、肺炎のために入院して歩行が不自由となり要介護状態になった。

その後、老健に入所、再入院等を経て、自宅に戻るのが難しいということで、特養である花みづき寮に入所することになった。

<状態/入所までの経過>
  • ずっと自宅で生活していたが、2007年7月に肺炎で入院。入院後1ヶ月ほどで歩行が不自由になった。
  • 8月に退院して、某介護老人保健施設(以下、老健)に入所する。
  • 9月に入ってから何度か発熱したため、別の病院に2週間入院。
  • 10月に退院して老健に戻る。
  • 在宅復帰が困難ということで、2008年4月30日、花みづき寮に入所。
  • 左手指2本切断(1960年代)。
  • 両側変形性膝関節症(2002年~)。
  • 肺炎(2007年7月)。
  • 気管支炎(同年9月)。
  • 貧血、高血圧。
入所までの経過
入所時の状況
【入所時の状況】

排泄は全ておむつで、移動も車椅子使用の全介助、入浴もリフト浴とほぼ全介助の状態。

表情は硬く、活気がなかった。

移動
  • 車椅子を利用して全介助
  • 立位は困難
排泄
  • ベッド上でおむつ
  • 尿意も便意もなく、常時失禁している状態
入浴
  • リフト浴(本人はお風呂好きとのこと)
体調
  • 手足や身体の痛みの訴えが多い
  • 介護拒否が顕著
コミュニケーション
  • 表情硬く、意欲もみられない
  • 老健では職員や他の入居者との交流はなかった

入所時は以上のようにほぼ全介助で、本人も活気がないという状態だったが、自立性を回復することをめざし、主に①排便の改善と、②歩行の改善のために、次のような介護を実践した。

【ケア内容①】排便の改善 

排泄を全ておむつという状態を改善するために、離床、適切な水分とファイバーの摂取、必要に応じた排泄介助、立位訓練等を実施した。

排便の改善
  • 生活リズムを改善するため、日中は離床8時間以上を確保
  • 起床時に冷乳、冷水を提供
  • 寒天、ファイバーの提供
  • 本人が訴えた時と定時の声掛け誘導で、排泄介助
  • 立位訓練
【経過①】排便の改善
2008年
4月30日
入所時(全介助) 全介助でおむつ対応
5月1日~
  • ポータブルトイレ
  • (以下、Pトイレ)に
  • 誘導開始(全介助)
日中、リハビリパンツ+Pトイレ介助。手、足の痛みの訴えが強く、介護拒否もみられる。受診して痛み止めの注射を打ってもらうこともあった。
7月2日
~11月上旬
L字バーつかまり立ち
(一部介助)
トイレの訴えがあり、便意が戻り始めた様子。
11月上旬
~12月上旬
トイレ誘導
(歩行器使用)
  • 明確に便意が戻り始める。
  • 失禁はほとんどなくなった。
  • 布パンツに変更。
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